消費と愛着
私は死ぬなら土葬がいい。
焼かれる前にどんな服を着とくか考えるけど、思いつかない。秀逸なゾンビ映画は衣装さんの仕事ぶりが映える。それぞれのゾンビに生前を偲ばせるアイテムを身につけさせ、人間らしさの名残を感じさせているからだ。薄汚れたスエードのフリンジショルダーとか蓋の無いロケットのペンダント、泥だらけの千切れた絹の髪飾り。男性の靴や靴下、カフスや腕時計でどんな生活をしていた人間だったか感じとれる。
日本では死ぬときに無になるのが美しいとされている。身体は無断で浄められて、カリカリの白いガウンみたいなもの(下着はどうなるの⁈)を着せられて。着火すれば一瞬で肉や血は乾き、骨と粉になる。
あ〜、なんか私は嫌だな
人生色々あるのに。
昔は高度医療は無く、神秘主義や言伝えの施術レベルだし、疫病や雷は神の怒り云々、の時代だったから、曖昧な死亡認定されたあと、棺桶や土の中で蘇生する人も沢山いた。ゾンビの話のアイデアのひとつに、19世紀あたりに仮死状態から蘇生した人を、死の世界から甦った邪悪なものだと村では退治したという話が実際ある。
ノルウェーで第二次世界大戦後、衛生面考慮でラップに包まれて埋葬されたが、現在も遺体が全く腐らないため、いまや国内で埋葬する場所がなくて困っているそうです(コロナよりずっと前の話)。みんなレーニンみたいな状態なんでしょうかね。
最近盛んに、日本の高齢者が家族に迷惑をかけないようにしよう!みたいな啓蒙をされていて、死後の段取りを大学ノートに思い描いている事がわたしは切ない。辛いことや苦しい時は誰かに支えてもらう必要がある。死んだら我々の身体はどこかの土に還ることができるのだから、なんの心配も無用だ。
プラスチックストローは何百年も生き続ける。あなたが使っているかもしれないサラ〇ラップとかク〇ラップ系。ポリ塩化ビニルも有害な物質です。
未来や人間にとって本当に迷惑な事は、私達が軽い気持ちで消費するゴミ達が、私達よりもずっと強くしぶとく生きていく現実だ。
今夜私は、Google earthで古墳やピラミッドを見て人間の小ささを思い知ることにしよう